むかしむかし、ふかふかの森のなかに、ちっちゃなこぐまのココがいました。
ココは、いつもにこにこ、げんきいっぱい。
お気に入りのものは、ママがつくってくれた、キラキラのおほしさまのペンダントでした。
あるあさ、ココがめざめると、あれれ?
おほしさまのペンダントがありません。
「どこにいっちゃったんだろう?」ココは、ちょっぴりしょんぼり。

ココは、おほしさまをさがしに、おさんぽに出かけました。
まず、チョウチョさんのところへ。
「チョウチョさん、チョウチョさん、キラキラのおほしさま、しらない?」
チョウチョさんは、ひらひらと飛びながら、
「うーん、しらないなぁ。でも、きれいなお花のしたにあるかもしれないよ?」

ココは、お花のしたをのぞいてみました。
でも、おほしさまはありません。
つぎに、リスさんのところへ。「リスさん、リスさん、キラキラのおほしさま、しらない?」 リスさんは、くるみをもぐもぐしながら、「うーん、ぼくも知らないよ。でも、もりのなかには、ふしぎなものがたくさんあるから、もっと奥に行ってみたら?」

ココは、もっともっと、森の奥へ進みました。
大きな木の下に、ふくろうさんがいました。
「ふくろうさん、ふくろうさん、キラキラのおほしさま、しらない?」
ふくろうさんは、めがねをくいっとあげて、「おお、おほしさまかね? わしは見ていないが、もしかしたら、きらきら光る泉のそばにあるかもしれんぞい。」
ココは、ふくろうさんに教えてもらった泉へ向かいました。
泉のそばには、きれいな石がたくさんありました。
でも、おほしさまはありません。
ココは、すこし涙がでてきました。
そのとき、ふと、ココのあしもとになにか光るものがありました。
よーく見ると、それは、ココのお気に入りの、キラキラのおほしさまのペンダントでした!
「あったー!」ココは、おおきな声でさけびました。
おほしさまは、おさんぽしているときに、いつのまにか落としてしまっていたのです。

ココは、おほしさまのペンダントを、ぎゅっと胸に抱きしめました。
うれしくて、うれしくて、ココはにこにこ、スキップしながらお家へ帰りました。
お家につくと、ママが「ココ、おかえりなさい。あら、そのペンダント、よかったわね。」と、やさしく頭をなでてくれました。
その日の夜、ココは、おほしさまのペンダントをつけたままで、ぐっすり眠りました。
ゆめのなかでは、おほしさまがキラキラ光って、ココをそっと見守っていましたとさ。
めでたし、めでたし。
